高齢化時代に向けた家づくり

 先日、新聞で日本社会の高齢化が特集されていました。

 私たちの住宅業界でも、高齢者にやさしい家づくりというものが1つの課題となっております。高齢者向けの仕様=バリアフリー住宅に関して、最近はお客様からお問い合わせも多く頂戴します。当社に家づくりをお任せいただける方の中で、最も多いのは30代の子育て世代、次に多いのが50代、60代の建て替え世代です。

 建て替え世代の方はやはりご自身たちにとって暮らしやすい家をと、また30代の方の中で親御様と同居される方からは親御様のためにと、バリアフリーの仕様に関心を持たれます。親御様と同居されない30代の方も、多くの方が組まれる住宅ローンを払い終える頃には50、60代です。その時の暮らしを視野に入れて、今からバリアフリーを見込んだ家づくりの相談をされる方が最近では多いです。では、高齢者にやさしい家づくり・仕様とはどのようなものがあるでしょうか。以下は、当社でお客様からご相談を受けた際に対応している、高齢者向け仕様の一例です。

【玄関周り】
・玄関ドアを車いすが出入りできるよう、幅90cm以上確保
・玄関を車いすが出入りしやすいよう、上がり框の段差を低くする
・アプローチ部分に手すりを設置する

【廊下】
・車いすでの生活を考慮し、廊下幅を90cm以上確保する なお車いすの幅は、基本的に70cm以下なので、車いすが通る廊下の幅は90cm以上が通過しやすい幅です。ただし、廊下で車いすと人がすれ違うためには120cmほどの幅が必要です。また曲がり角のある廊下の場合は、車いすを回転させる必要があるため、140~150cmの幅が望ましいです。
・車いすでの生活を考慮し、へこみや傷のつきにくい、強度の高い床材を使用する
・歩きやすいよう、廊下の壁に手すりなどを付ける他にも、そもそも廊下のない間取り配置というのもご希望に合わせてご提案させていただいています。

【居室】
・つまずきにくいよう、敷居の段差をなくす
・寝室は、トイレに近い場所に設置する
・居室内に手すりを設置する

【浴室】
・動きを補助するための手すりを設置
・出入り口の段差をなくす
・浴槽をまたぎやすいように、45cm以下の高さにし、欲槽底と洗い場の高低差をなくす
・滑りにくい浴室床材を使用

【トイレ】
・体を支えるための手すりを設置

【扉・照明】
・扉を、開閉しやすい引き戸にする、またはレバーハンドルを付ける
・照明のスイッチを、使いやすいワイドスイッチにする


 もちろんお若いご家族が、全てを新築の時から組み込まなくても大丈夫です。お若い方も、いずれは必ず高齢者となります。いつまでも長く快適に過ごすことができるよう、私たちは先々を見据えた間取りなどの家づくりを大切にしています。

24時間換気は切っちゃダメ?

 皆さん、こんにちは。だんだん寒くなってきましたね、、

 家の暖房をつけて、こたつを出し、お家の中を温かくして快適な空間にしていきたい季節になりましたね!こんな時、お家の中にある24時間換気が寒いと感じたことはありませんか?でも実は、24時間換気って住まいの環境を守るためにとっても重要な仕組みなんです。

 今回は、「24時間換気」の必要性についてお話します。

 24時間換気とは、建物に設置した換気設備で居住空間の空気を強制的に入れ替えるシステムの事です。もともと気密性の低かった日本の住宅は、住宅性能が向上し、寒さや暑さ対策のため、気密性が高まっています。しかし、技術が進み、私たちが化学物質を含むものを使うことが増え、建具や家具から生じる化学物質や、生活の中で生じるチリやホコリ等を原因とした健康被害「シックハウス症候群」という体調不良が問題になっていました。なぜなら、換気性能が十分でなかったからです。

 そこで、2003年の建築基準法改正では、すべての住宅に24時間換気システムの設置を義務化しました。これにより、1時間に居住空間の半分の空気を入れ替えることが基準とされています。これは24時間換気システムにより計画換気を行うことで、汚れた空気を排出して、新鮮な空気を取り込み、シックハウス症候群などを防ぐことを目的としています。寒い時期などは、給気口から入ってきた空気によって風の流れができ、寒さを感じることもあります、、。しかし、だからといって、24時間換気を止めるのは良くないです!

 24時間換気とは、その名の通り24時間換気をしなくてはいけません。万が一止めてしまった場合、室内に入った空気が排出されず空気に含まれた湿気や汚れ、ホコリなどが室内に留まることで結露やカビの原因になったり、カビをエサにするダニが増えてアレルギーの原因になることもあります。

 もし、24時間換気で寒いと感じた場合は、止めるのではなくこんな対策をとってみてください。
・給気口に専用のカバーやフィルターをつける
・サーキュレーター等を利用して、暖房で暖めた空気を循環させる
・給気口量を調節する

 自身の健康・家族の健康、そして建物の劣化を防ぐためにも、24時間換気で常に新鮮な空気を取り入れることが大切です!

 居心地のいい居住空間で、毎日健康に素敵な一日を過ごしていきましょう~(^▽^)/